「お弁当作りは節約にならない」は正解。あなたの時間と心を守る新常識

「お弁当作りは節約にならない」は正解。あなたの時間と心を守る新常識 節約

節約のためにと毎日頑張って始めたお弁当作りなのに、思ったほど家計は楽にならず、むしろ朝の貴重な時間と心の余裕ばかりが失われていく……。もしあなたが今、そんな出口のないトンネルの中にいるような気持ちになっているなら、まず一番にお伝えしたいことがあります。その感覚は、決して間違っていません。

こんにちは。ミナです。私自身もかつては完璧な節約弁当を目指して挫折した経験があり、今はタイムパフォーマンスを重視した家計管理の専門家として、多くの共働き世帯のご相談に乗っています。

この記事では、単なる節約レシピや時短ワザをご紹介するものではありません。

あなたを苦しめている「~すべき」という罪悪感の正体を、「金銭・時間・精神」という3つのコストから解き明かし、あなたにとって本当に価値のある、持続可能なランチスタイルを見つけるための新しい視点を提案します。

この記事を読み終える頃には、きっと「完璧じゃなくていいんだ」と心から思えるようになり、自信を持って“頑張らない”選択ができるようになっているはずです。

まずは事実を知ろう。データで見る「お弁当のリアルな節約効果」

ではまず、冷静に数字を見ていきましょう。「頑張りが報われない」と感じるそのモヤモヤを、客観的なデータで見てみると、意外な事実がわかります。

新生銀行が長年実施している「会社員のお小遣い調査(2023年)」によれば、男性会社員の1日の昼食代は平均で624円でした。これに対し、お弁当を持参している人の昼食代は平均331円。その差額は1日あたり293円となります。

  • 昼食代の平均額は624円
  • 「持参弁当」の平均額は331円

出典: 2023年会社員のお小遣い調査 – 新生銀行, 2023年6月28日

1ヶ月に20日勤務すると仮定すると、1ヶ月あたりの節約効果は5,860円

この数字を見て、あなたはどう感じましたか?「思ったより大きい」と感じたでしょうか。それとも「毎日あれだけ頑張って、この金額か…」と感じたでしょうか。

この5,860円という節約効果は、決して小さくありません。しかし、この数字だけを見て「やっぱりお弁当は節約になるんだから、頑張らなくちゃ」と結論づけるのは、まだ早いのです。なぜなら、この計算からは、あなたにとって最も重要な“あるコスト”が抜け落ちているからです。

あなたが一番見落としている「タイムコスト」という名の出費

私自身もかつては見落としていたのですが、家計を考える上で最も重要なコスト、それは「タイムコスト」、つまりあなたの貴重な時間です。

節約効果とタイムコストは、多くの場合トレードオフの関係にあります。つまり、金銭的な節約効果を追求すればするほど、あなたの時間というコストは増大していくのです。

例えば、お弁当作りのために、下準備や調理、片付けに毎日30分かかっているとしましょう。1ヶ月(20日間)では、合計で10時間にもなります。

もし、あなたの時間を時給1,500円の価値があると仮定するなら、お弁当作りに毎月15,000円分もの「タイムコスト」を支払っている計算になります。

節約効果とタイムコストを比較する天秤のインフォグラフィック。節約額5,860円に対し、時間的コストが15,000円相当となり、天秤はコスト側に大きく傾いている。

もちろん、これはあくまで一つの計算例です。しかし、この「タイムコスト」という視点を持つだけで、「頑張っているのに報われない」という感覚の正体が、論理的に見えてこないでしょうか。

あなたの時間と労力は、決してタダではありません。その価値を正しく評価して初めて、あなたにとって本当に「お得」な選択が見えてくるのです。

✍️ ミナ(節約アドバイザー)からの一言アドバイス

【結論】: 「節約」の定義を、「お金を貯めること」から「時間と心の余裕を生み出すこと」にアップデートしましょう。

なぜなら、ご相談に来られる多くの方が、数字上の節約に囚われるあまり、ストレスで衝動買いをしてしまったり、体調を崩して医療費がかさんだり…と、結果的に大きな出費に繋がっているケースが後を絶たないからです。本当の資産は、あなたの心の健康そのものです。

「毎日手作り」は卒業。今日から始める“心の負担”を減らす3つの選択肢

「タイムコストの重要性はわかった。でも、じゃあどうすれば…」と感じているあなたへ。大丈夫です。ここからは、完璧主義を手放し、罪悪感なく心の負担を減らすための、今日から始められる3つの具体的な選択肢をご紹介します。

まず知っておいてほしいのは、「お弁当に冷凍食品を使うのは手抜きだ」なんていう考えは、もはや時代遅れだということです。食品メーカーのマルハニチロが行った調査では、お弁当を作る際に市販の冷凍食品や惣菜を「必ず使う」「時々使う」と答えた人は、全体の86.5%にも上りました。

みんな、賢く、上手に力を抜きながら続けているのです。あなたも、もっと自分を許してあげていいんですよ。

選択肢①:メリハリ型(週2日は「作らない日」と決める)

毎日続けるから、しんどくなるのです。それならいっそ、「作らない日」をカレンダーに書き込んでしまいましょう。「水曜日はコンビニの日」「金曜日は500円で外食ランチの日」など、意識的な「お休み」を設けることで、プレッシャーから解放され、お弁当作りが続く日も気持ちが楽になります。

選択肢②:ハイブリッド型(ご飯だけ持参する)

お弁当の中で、最もコストパフォーマンスが高いのは「ご飯」です。コンビニでおにぎりを2個買えば250円以上しますが、家で炊いて持っていけば50円程度。ならば、「ご飯だけはタッパーに詰めて持っていく」と割り切り、おかずはスーパーの200円の惣菜や、コンビニのサラダチキンなどを活用するのです。これだけでも、1食あたりの費用を300円~400円に抑えつつ、朝の準備時間は5分もかかりません。

選択肢③:週末集中型(「作り置き」と「冷凍食品」を使い分ける)

平日の負担を極限まで減らす方法です。週末の少し余裕がある時に、きんぴらやほうれん草のおひたしといった日持ちする副菜をいくつか「作り置き」しておきます。そして、メインのおかずは市販の「冷凍食品」に頼ると決めてしまうのです。朝は、作り置きと冷凍食品をただ詰めるだけ。これなら、タイムコストを最小限に抑えながら、節約効果も維持できます。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 夫に「手抜き」だと思われないか心配です。どう伝えればいいですか?

A. とてもよくいただくご質問です。これは「節約」の問題だけでなく、コミュニケーションの問題でもありますね。大切なのは、一人で抱え込まないことです。「タイムコスト」の話をぜひご主人にしてみてください。「毎日30分早く起きる代わりに、その時間であなたとの会話を増やしたいな」といったように、ポジティブな提案として伝えるのがおすすめです。家計の状況を共有し、「二人にとっての最適な方法」を一緒に探すパートナーになってもらいましょう。

Q. おすすめの市販の冷凍食品や惣菜はありますか?

A. 最近の冷凍食品やチルド惣菜は、味も栄養バランスも驚くほど進化しています。特におすすめなのは、自然解凍OKの冷凍野菜(ブロッコリーやいんげんなど)や、袋のまま電子レンジで温められる焼き魚や煮物です。コンビニのプライベートブランドの惣菜も、少量で使いやすく、添加物を抑えたものが増えています。色々試してみて、あなたの「お助けスタメン」を見つけるのも楽しいですよ。

Q. それでも罪悪感が湧いてきてしまいます…

A. よくわかります。長年「手作りは愛情」という価値観の中で頑張ってきたのですから、すぐに気持ちを切り替えるのは難しいかもしれません。でも、思い出してください。あなたが本当に達成したいゴールは、お弁当を毎日作ることではなく、家族との幸せな未来のために、心穏やかに貯金を増やしていくことのはずです。疲弊して笑顔がなくなってしまっては、本末転倒。自分を大切にすることも、立派な家計管理の一つですよ。

まとめ:あなたが選ぶべきは、節約額ではなく「心の余裕」です

これまで見てきたように、「お弁当作りが節約にならない」というあなたの感覚は、時間や心のコストを考えれば、決して間違いではありませんでした。

大切なのは、「金銭」「時間」「心」という3つのコストのバランスを、あなた自身が納得できる形で見つけることです。

  • データが示す、お弁当のリアルな節約効果は約5,860円
  • しかし、そこにはあなたの貴重な「タイムコスト」が含まれていない。
  • 「作らない日を決める」「市販品を賢く使う」など、頑張らない選択肢はたくさんある。

あなたが本当に大切にすべきは、家計簿上の数百円の数字ではなく、あなた自身の心の余裕です。笑顔で「いってらっしゃい」と家族を送り出せる毎日こそが、何よりの資産ではないでしょうか。

今日から、自分を許す選択を始めてみませんか?

まずは第一歩として、今週の水曜日を「お弁当お休みデー」にしてみることから、ぜひ試してみてください。